【解説】今さら聞けない、ガソリンの暫定税率とは?制度・目的・問題点を簡単解説

「ガソリン代の半分近くは税金」という事実、
アナタは知っていましたか?

そのカラクリの中心にあるのが“暫定税率”。
名前は「暫定」でも、実は50年近く続いている恒久税のような存在です。
なぜ一時的なはずの税金が今も私たちの生活を圧迫し続けているのか?
どうして廃止されないのか?
地方と都市での不公平、使途の不透明さ、政治の駆け引きまで――
この記事を読めば、暫定税率の仕組みと問題点がすべてスッキリ理解できます。
給油のたびに感じる「高すぎる…」の裏側を、一緒に解き明かしましょう。

目次

制度の目的と背景

  • 第一次オイルショック(1974年) を契機に、道路整備や高速交通網の財源として導入されました 。
  • 当初「道路特定財源」として目的が限定されていたが、2009年以降は制度が廃止され、一般財源化。結果的に他分野への流用も可能となってしまっています。

現行制度

基本構成と法律根拠

  • ガソリン1リットルあたりの税構成は以下の通りです。
    • 揮発油税(国税・本則):約24.3円
    • 地方揮発油税:約4.4円
    • 暫定税率(揮発油税):約25.1円
      → 合計で 約53.8円/L が課税されています
  • 法的には租税特別措置法に基づき、一時的に上乗せされる暫定税として位置付けられています。
    しかし、延長を繰り返し、事実上の恒久化と批判されています 。

トリガー条項の仕組みと現状

  • 2010年、揮発油税に対して価格政策連動型の「トリガー条項」が導入されました。
    ガソリンの全国平均小売価格が 3か月連続で160円/L超 となった場合、
    自動的に暫定税率を停止し本則税率へ戻す仕組みです 。
  • しかし、東日本大震災後、復興財源確保の必要性からこの条項は凍結され、
    その後も解除されていません。

問題点(制度的課題)

  • 名目「暫定税」が半世紀継続されている矛盾
    一時的税率のはずが恒久化。
  • 生活コストへの負担増
    ガソリン価格の4割近くが税金であるため、家計への影響が大きい。
  • 二重課税構造
    ガソリン税+消費税により“税に課税”されており、消費者側では不満が根強い。
  • 地方との負担格差
    公共交通機関が乏しい地域ではガソリン依存度が高く、税負担の逆進性が問題。
  • 使途の不透明さ
    道路資源以外に使われ、制度への信頼低下。
  • 政治的摩擦
    2008年の「ガソリン国会」では一時廃止されたものの、すぐ復活した経緯があり。
    制度自体への不信を招いています。
  • トリガー条項の凍結
    制度対応の自動性や柔軟性が失われている点も改善が求められています。

まとめ

項目内容
法的構造本則税+暫定税=約53.8円/L。
租税特別措置法に基づく。
トリガー条項ガソリン価格連動型での自動的「暫定停止」規定ただし、現在凍結中。
制度目的道路整備財源確保の暫定措置
→ いつの間にか恒久化、一般財源化。
問題点制度信頼性の低下、家計・地方への負担、
使途不透明、政治的摩擦など多岐に渡る。

✅ まとめ

暫定税率は、もともと 道路整備と財政補填のための“時限的措置” でした。
しかし、現在も延長され、ガソリン1Lあたり 約53.8円 の税負担が課されています。

  • 「暫定」の名を借りた恒久税化
  • 家計や地方に大きな負担
  • 財源使途の不透明化

数々の問題点から、制度のあり方は再び問われています。
今後は インフラ財源をどう確保するのか、国民負担をどう配分するのか が最大の論点となるでしょう。

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